その日は何も出来ず、朝を迎えた。

「中間報告だ。渚」

朝食時に伊集院先輩が渚君に頼まれた仕事の報告をしに訪れた。

「すげぇぞ。敦司」

「私だけの力じゃない。圭吾と達生だって頑張ってくれたよ。渚。思ったより、元気そうだな。安心した」

中田さんは伊集院先輩にも朝食を用意した。

「どうぞ、敦司様」

「では、遠慮なく頂きます」

渚君のそばの席に腰を下ろし、二人で資料を眺めながら仕事の話をする。

「ボディメイクか・・・俺では考えれないキャッチコピーだ」

「マーケティング会社の調査も順調に進んでいる。でも、プレゼンに間に合うか?」

「・・・プレゼンは11月下旬だ。まぁ、何とか間に合わせて見せる」

「お前、大丈夫か?」

昨日はあんなに元気に振舞っていた薫様も今朝は顔を見せなかった。

「母さんの力はまだ、頼れそうにない。
プロジェクトの担当者の佐川部長と相談する」

「その・・・佐川部長は信用できるのか?秘書の平井さんから訊けば、会社は二つに分かれているらしいじゃないか」

「佐川部長は俺達の味方だ。
平井さんもまた、部外者の敦司に余計なコト言って」