ありえない高校生マリッジ

もっと悲しみに暮れているかと思ったので、二人の様子を見て、安堵
で胸を撫で下ろした。


渚君と部屋に入り、私は智樹をベットに寝かしつける。

渚君はスーツを脱ぎ捨て、先にシャワーを浴びてバスローブ姿。

「智樹、寝た?」

「まぁ」

「・・・そっか・・・母さん、お前の前では明るくしてたけど・・・スイスじゃ大変だった・・・父さんの後を追って自分も死ぬみたいな・・・」

「自殺未遂でもしたんですか?」

「自殺未遂はしてないけど・・・言葉で言っていただけだ…。でも、怖かった。このまま、父さんだけではなく母さんも失うかもしれないと思うと・・・胸が張り裂けそうだった」


「渚君・・・」

渚君は切実な声で自分のキモチを吐露する。