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「お帰りなさいませ。奥様、渚様」

「ただいま。中田」

エントランスでは使用人総出で、二人を迎えた。
薫様の胸元には白い布で包まれた骨壷。

私と智樹は使用人の影に隠れるように控えていた。

「那岐は?」

「那岐様」

中田さんが私を呼ぶ。

「渚様が呼んでますよ」

「何で…そんな端っこに居るんだ?
お前は俺の妻だろ??」

渚様は大声で吐き捨てる。
さっきまで機嫌の良かった智樹がその声に驚き、泣き出した。

「智樹は音に敏感なんですから…小さな声で話してください」

「悪かった」

渚様は憮然とした態度で謝る。

「よしよし。パパのこえ、おおきいから・・・びっくりしちゃいましたね・・・」