父上の表情を見ていたら、何もいえなくなってしまった 俺は、なんて弱いんだ…惚れた女一人守れないのに… グッと唇を噛む 重い足取りで、リリスの部屋へ向かった 静かに入ると、リリスは死んだように眠っていた そのままベッドに近づいて、そっと髪に触れる 艶やかなピンクの髪は、真っ黒になっていた きっと瞳も同じだろう 顔色はあまりいいとは言えず、青白くなっていた 髪を撫でていた手を止め、握りこぶしを作った 「…ん、ルイス…様?」 「リリス、目覚めたか?」