……定則的な電子音。 顔の上には何かが乗っていて、 喋ろうとすると、何かが邪魔をする。 体から少し浮いている手には、 温かい、何かが触れている。 「……昴?」 俺の名前が呼ばれた。 その声の方へ、体がだるいので 視線だけ、どうにか向けてみる。 そこには、元秋の顔と、 そして、繋いだ俺と彼の手が見えた。 『おはよう』 口だけ小さく動かしてみる。 「おはよう、昴」 どうやら伝わったらしい。 彼は嬉しそうに笑っていた。