「それにしても早いな」 「え、何が?」 突然の問いに答えられず、 聞き返す俺に昴は苦笑した。 「何が?って、今言ってただろ? もう、花が咲くんだなーって」 少し先にある花壇を指す昴は、 あの日とは違って、とても楽しそうだ。 幸せそうに、俺を見る。 「早く行こう!」 急かしさえしてくる。 ……何でだ?