待ったをかけたままの俺に、 元秋は黙って待っている。 何と言ったらいいのか分からない。 そのまま暫く、沈黙は続いた。 「……そろそろ言ってもいい?」 また暫く花を眺めた後に元秋は口を開いた 「駄目だ」 言わないでくれよ、頼むから。 もしも彼に好きだと言われたなら、 それを、俺は断る事が出来ないだろう。 だってそれは、 なによりも望んでいた事だから。