最後に見たのは、 彼が目を閉じる顔。 そして近くに見えた彼の手に、 自分の手を伸ばした所で、俺の意識は途切れた。 ……次に目が覚めた時は、病院だった。 あの日から数週間経っていて、 元秋の葬儀は、とっくに終わっていた。 結局1度も、手も繋げずに。 彼は俺の隣から居なくなってしまった。 それどころか、もう、顔さえ見れない。 どうして俺はあの時――。