せっかくチーフになってこれからという時に、こんな事件を知られるわけにはいかないと思ったのです。
「ま、待って。謝るから、待ってください」
「じゃ、さっさとここで土下座しな!」
2人は腕組みをして立ちながら、足元を指差しました。
私は意を決して、2人の女子高生様の足元に膝をつき、手をついて、頭を下げました。
「申し訳ございませんでした。私が勘違いをいたしました。どうかお許しください」
私が女子高生様の前で土下座している、この信じられない状況…でも、体の奥のほうで何かが崩れかけていました。
その時、『ドン』という衝撃とともに頭に重みが加わり、床に額が押し付けられました。
「お前、土下座ぜんぜんできてねーよ!頭は床につけねーとだめだろ!」
茶髪の女子高生様が、私の頭を踏みつけていたんです。さらに屈辱的な格好でした。
私はこの自分の屈辱的な格好に、感じ始めていました。
「ほら、謝れよ!」
女子高生様の言葉にとっさに反応していました。
「女子高生様、どうかお許しください」
「プッ、お前何それ?」「ギャハハ、女子高生様だって。頭おかしくねー?」
2人が大爆笑していました。
「あっ」
私はハッとしたけど、もう遅かったのです。自分の心の声を思わず口にしていました。
「ククッ、やっぱりそうだったんだ。あきの言うとおりじゃん」
「でしょ、こいつ生意気そうな顔して、絶対Mだと思ってたんだよね」
「でも、女子高生様って、想像以上に笑えんね!」
私は呆然として、2人の言葉を聴いていました。そう、この女子高生様は確実に私を狙っていたんです。
茶髪の女子高生様は私の頭から足を下ろして、私の顔の前にしゃがみました。
髪の毛を引っ張り上げられて、上を向かされました。