「かっこいいよー、棗。さすが私の弟っ！」

「…いいから姉さんは学校行きなよ」


～入学式～







「――であるので……――――」

ああ、早く終わらないかな


今日は高校の入学式です

両親を3年前に亡くした私は、
3人の妹と5人の弟の、計9人で暮らしています。

9人まとめて世話をしてくれるようなお金持ちの親戚は残念ながらいないので、
(皆離ればなれは嫌だったから)
親戚達からの仕送りで私達9人は生活しています。

高校は特待生として入学しました。
学費は3年間タダ！
家から自転車10分という好条件！

入るしかないでしょ!!

ただ、この学校にちょっとばかし問題があって……


まあ、それは追々話すとして、
今日は入学式なんです！

私もだけど、
九条家四男、棗のです！

今年小学校に入学です。

可愛い可愛い弟の入学式は見に行くしかないでしょ！
小学校の入学式は午後からだから、ギリギリ間に合うとは思うんだけど

校門で写真も撮りたいし、色々したいことあるし

ああ、時間が足りないっ


「ねぇ、貴女体調でも悪いのかしら？ずっとそわそわしていらしてよ」

「すいません。気にしないで下さい」


ああ、早く終わって
入学式っ！


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