店内に入ると、その店構えに見合った装飾が施されていた。

 入ってきたベリルに一斉に視線が注がれる。

「……」

 女性が多いと何故かこういう現象になる事をベリルはいつも不思議に思っていた。

「どこまで鈍いんだあんた」という声が聞こえてきそうだが、これが彼なのだ。

 自分の事にはまるで興味がない。自分に対する色恋沙汰にもとことん鈍い。

 むしろ笑えるほどに彼らしい。

 清潔感のある白い壁とバラの描かれたカーテン。