そこにいたのは見慣れない女性。

 肩よりやや上の黒髪に、仕事が出来ることを窺わせるスーツをビシッと着こなし身につけているアイテムなどは嫌味のないデザインのオーダーメイドっぽかった。

「何かね?」

 見上げる瞳のキラキラに彼はまったく気がつかない。

 ほぼ全ての言語を使いこなす彼は日本語で声を掛けてきた女性に当然のごとく日本語で返した。