徐々にオレンジは強くなり、その中にあってもベリルの瞳は輝きを失うこともなく木々のざわめきに目を細めた。

「あの、ベリル?」

 ふいにかけられる声に振り返る。

 彼女はベリルに視線を合わせたり外したりして言葉を選んでいるようだった。

「相手にしてくれなんて、もう言わないけど」

 やっと聞き取れるほどのか細い声でぶつぶつ発したかと思うと、半ばしれっとしたように口を開いた。