目の前で柚木は戸惑いを全身で表現していた。 バタバタ動く手足がせわしない。 顔も百面相。 「うわわ部長面食い!」や 「あ!お姫様ってそういう…」とか 「てかホント綺麗だったなぁ…」など 独り言あろう言葉を、大声で白い壁にぶつけている。 「あれ、でも…」 やっと視線を利郎に戻し、柚木は子供みたいに不思議そうな顔をして訪ねた。 「なんで振っちゃったんですかね?」 「……。」