買い置きしていたらしいバームクーヘンまでもご馳走になり、すっかり緋芽に懐いた様子の柚木を、利郎はどこか複雑な面持ちで眺めていた。
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空になった黄色い弁当箱をブラブラさせながら、無言で歩く水島の後を懸命についていく。
涼しい顔して歩く、いつも何考えているのか分からない不思議な先輩を見つめながら、みくは息を切らした。
このリーチの差が悲しい。
色素の薄いサラサラの整えられた髪が揺れる。
白、とか、抹茶みたいな緑色が先輩にはよく似合うだろうな~と不意にみくは微笑んだ。
しかし右腕には、似つかわしくない黒と紫の封筒(ゴシック調で豪華な薔薇模様)を抱え、やっぱり腹黒い印象を受けてしまう。
「…先輩、それなんですか?」


