「先輩は、最低なんかじゃ、ありませんっ。」 あたしは、予想だにしなかった夏歩さんの話にとても驚いていた。 けど、先輩は本当に何も悪くないと思った。 「いいや、きっと……最低な人間なんだよ。 由宇ちゃんを初めて保健室でみたとき、一番初めに由宇ちゃんの手に俺は目が行ってしまったんだ。 それから、夏歩と重ね合わせながら、ずっと由宇ちゃんを見ていたんだ…。 由宇ちゃんが夏歩な訳ないのにな……」