北館を出てひたすら走った。 今見たことを、無かった事にしたかったから、無我夢中で北館から離れた。 でも、無かったことにするなんて…不可能だった。 いつ授業が終わったのかも分からないけど、気づいたら目の前に紗耶香がいて、驚いたようにこっちを見ていた。 そして、急いで駆け寄ってきて 「なんかあった?」 と、あたしに問いかけた。