───ギィー いつもの音が鳴る。 いつも先輩が座っているベンチには人影がなく、がっかりしている自分にちょっとだけ笑えた。 あたしは、先輩の座っていないベンチに腰かけて空を見る。 眩しい太陽があたしを照らし、少しだけ涼しい風があたしの頬を撫でた。 いつもなら直ぐに癒やされるはずなのに…… なんだか心に穴が開いてるみたいに満たされず、ただその穴を埋めるように空を見上げた。