「愛ちゃん?」
「まだクセ直らないの?その呼び方お母さんの前では言わないように気を付けてよね。」
「愛ちゃん!」
「・・・・・」
...やだ...輝は私の弟だよね?
...輝...私を見ないで...
そっと私に近づいてきて優しく髪をなでる。
“触らないで!”なんて言えない。だって...
「泣いていいよ。」
優しい目、大きな手...全部...全部...。
私は静かに輝の胸で泣いた。
押し込んでいた想いが溢れだす。
輝は何も言わず、私の頭を撫でてくれた。
そんな気遣いが私の中での輝をもっと大きくした。
愛しくて仕方ない。私の...大好きな人。

