輝の目の前で手をちらつかせてみた。

「愛ちゃん」

「その呼び方はだめだって。お母さんが怒るよ。」

そう、お母さんが怒る。この理由もあの時分かったこと。
「姉弟なんだから名前で呼ばないで~。愛のことは名前で呼んじゃだめ~」
お母さんが初めて理由を教えてくれた。

「気ぃつける。」

あれ?ちょっと不機嫌になった?
少し引っかかったが気にせず続けた。

「うん、それで?」

こんな軽々しく聞いた自分がバカだった。輝はずっと悩んでたことなのに...
ごめんね。