初恋向日葵

｢もう、遅刻決定だよ｣

はぁっとため息をつきながら空を見上げる。

｢ほんと、暑いわ・・・｣

と、つぶやき教室に戻ろうとした時、

｢げっ｣

前からタオルで汗をふきながらやって来るのは、

｢山本･･･｣

そう。この学校。いや、この地区で怖いことで有名な山本太志。生徒指導の先生だ。

｢やばい｣

私は山本と逆方向に回れ右すると猛ダッシュで走った。

授業直前にも関わらずここに突っ立っていたらサボりの生徒に間違えられて当たり前。

｢はぁはぁ・・・｣

走ったら予想以上に疲れて膝をついて息を整える。

もう来てないよね？

後ろを確認しようと顔を上げた。

｢わぁ・・・｣