私はここにいる。ここにいて、でも君なんかとは遠い存在でいつも見ているだけの駄目な女。そんな私の名前は絢川優那。中学2年生の女子ソフトテニス部なんだ。
 誰もが好きな人と隣の席になるのを期待するけど、私は7組で好きな人は6組。でもラッキーなことに、中2最後の隣の席は好きな人の親友でした。そしてその人は私のペアと付き合ってるから話やすくて、協力もしてくれる。なんてったって私は彼の恋のキューピットだったから。彼は下咲一馬。私のペアの名前は鈴宮みつき。

 「シモー!」
 聞こえてきた声の主は、私が恋している人。
 (やっぱかっこいいやぁ。下咲とは比べものになんないな。)
 「絢川さんと浅田、付き合えばいいのに。」
 「は?意味わかんないし。なんで付き合わないといけないのよ。冗談やめようやぁ~。」
 いつもそうやってはぐらかすのが私の癖なんだ。はいはいはいって言って話を流したりとか、自然と得意になっていった。そんなこんなで演技も得意になったんだっけ・・・。