「んな荷物持って筋トレかよ、先に送った大きいバッグん中、何も入ってねーんじゃね?」
そういいながらも、ちゃんとあかりちゃんの荷物を持ってくれているのは、もちろん高原くんで。
なんだかんだ上手くいっているのかなんて思えば
「…べ、べつに筋トレなんか興味ないし!
お、女は色々お洒落するから大変なの!」
とやっぱり意地っ張りになっちゃうあかりちゃん。
…本当はきっと、凄く誰よりも好きなんだね。
私も中々素直になれないから、わかる。
「…はいはいはい」
と、面倒臭さそうに言う高原くん。
…でも高原くん、多分気付いてないけどあかりちゃんには甘いんだよね。
だからこの二人はわりと、上手くいっているのかな。
修学旅行だからこれから、まだまだ色んな事起こるよね、きっと。
……なんて、考えが浅はかな私は馬鹿みたいに胸を踊らせていたんだ。
それが、まさかあんな結末になるなんて――思ってもみなかった。


