《続》ポケット




はる君の指が私の唇の横に触れて落ち着き始めていた心臓が再びドキドキし始める。









「ついてる」








そういって私の唇に触れた指がそのまま








「…やっぱ甘っ」







はる君が自然に自分の口に持っていって。







一気に顔が赤くなるのを感じながらはる君から目を反らす。












はる君は…………意地悪だ。







絶対、私がドキドキするって知っててやってる。








「あ、夕ごはん、つ…作るっ!」










ばっと立ち上がり急いで行こうとすれば








「…く…歩夢そっちキッチンじゃない」









と肩を揺らしながら笑うはる君。









「……っ、ととトイレ!」









笑うはる君を無視し、ドアを閉め扉によっ掛かって顔を覆う。










……今日のはる君、凄く積極的。









はる君にペースを持ってかれてる。









「……はぁ」








溜め息を一つ残し熱かった頬が冷めたか確認してからキッチンに戻った。