「――はい。」
とソファーに座れは目の前に出された、ソレ。
「ありがとう。」
そうお礼を言って受け取って、不思議に思う。
匂いが、違う。
レモンティーじゃ、ない。
「は…、はる君?これ……」
「驚いた?陽斗特製ホットチョコレート。ココアじゃなくて、チョコから溶かしたから市販より本格的」
そういって笑うはる君は格好よくって、何より私の為に作ってくれたというのが嬉しくて、
胸のあたりから何かが込み上げてくる。
それを隠すように、
「いただき…ます…」
と、マグカップを口元に運んで飲めば、口いっぱいにチョコレートの甘い香りと温かさが行き渡っていった。


