はる君の動作、一つだけでわかる。
一生懸命、私の話しを聞いてくれてるんだなって。
本当だったら、言いにくい話しのはずなのに、はる君が話しやすい雰囲気を出してくれてるから、話せる。
「だから、今は……まだ答えられない。」
はっきりと言えばはる君は、閉じていた目を開けて、困ったように笑った。
「はる君が…大切だから、
曖昧な気持ちで接したく無い。
我が儘だってわかってる。
だけど……適当に返事をしたくない。」
最後まで、そういうと再びはる君の胸の中へと抱き寄せられた。
「…何と無く、わかってた。
ストレートで歩夢らしい。
じゃあ、歩夢の気持ちがちゃんと整理できるまで、…待ってる。」
はる君は私を抱きしめたままちょっとだけ、力を入れた。
「…今だけこのままでいて。」
はる君が何と無くまた、遠ざかってしまう気がして、私もはる君の背中に手を回して少しだけ力をいれた。
…………はる君が好き。
だから、私もちゃんとするから。
そんな想いを、――腕に込めて。


