お母さん達が旅行に行ってまだ、数日しかたっていないのに。
それなのに、こんなになってたら先が思いやられる。
「はる君…私……どうすればいいかわからない」
いまの、本当に正直な気持ちだった。
そういった瞬間私は今すぐにでも溢れ出しそうな涙を隠すために、手で顔を覆おうとした。
すると、私の身体がはる君の胸の中へと引き寄せられる。
少しだけ、離れてはる君の目をみる。
……少しだけ滲んだ視界の中、綺麗なブラウンが、私だけを映した。
「……この前、はる君の気持ちを聞いて、気持ち自体は凄い嬉しかった。」
一瞬、ほんとに一瞬だった。
微かにはる君の目が、揺れた気がした。
「だけど……今は…」
私がそこまで言うと、はる君は目を閉ざした。


