青と楽しげに話す男は、綺麗顔の青に比べどちらかと言えば゙格好いい゙類に入ると思う。

青に負けないくらい整った顔は、私の苛立ちをかうのには容易かった。


――棗ちゃんも可愛かったけど。

友達全員、美形ってどうなんだよ。



(むかつく。)


チッと無意識の内にやってしまっていた舌打ちにより、ご友人様の目が初めて私を向いた。



「あ、ごめんね。青取っちゃって。」

「…、は?」


挑発的な言い方になってしまった。
まあ、これが素直な反応だと思うが。



「ハジメマシテ。風見渚(かざみなぎさ)。青とは幼なじみなんだ。」

「…はあ…。」


控えめな返事は息となり空気に溶け込む。
男はにこにこと自己紹介をすると、笑顔で私を見る。

なんていうか…。


゙ホント、まじまじと。゙


頭から足の先まで、舐め回すようにじっくり。

その空気はまさに最悪としか言いようがないものだ。




「あ、の…。何か?」

「ん?いや、青にしちゃ美人捕まえたなって。」

「…からかってるんですか?」



まったく、何なんだ。
棗ちゃんも風見さんも青も。

美人だの…なめとんかい。私の容姿は自分で分かってるっちゅーの。