占い師の恋【完】





「あっ君が来てくれるなんて、本当久しぶり~!

あっ君全然来てくれないんだもん。
あ。新作出たんだよ♪しかも棗がデザインしたのっ」


このマシンガントーク。店長を思い出してならないわ。


苦笑いを浮かべて彼女を見つめていると、大きな瞳が私を映す。



「あれ?あっ君の…」

「彼女だよ」


(平然と嘘を言いやがった…!)


「いや、違いますから…」

「そっかあ!あっ君の彼女さんか~♪

よろしくね?橘棗っていいます」

「(聞いちゃないよこの子)。」



にこにこ笑顔の彼女は、私よりも5センチほど低い身長でロングの髪をキャラメル色に染めてふわふわカール。

大きな瞳に長い睫毛が印象的で。
一言で括れば、美少女ではないだろうか。


私の女としての自信が失われていくみたいな気持ちに、嫌でもなっるからさらに悲しい。



「…あれ?あなた、一度お店に来てくれた?」


急に顔を覗き込んでくる綺麗な顔に、女だけど赤面してしちゃう。

――ここ、あの青いピアスを買ったお店だ。

レジでジンクスを話してくれた店員さんが、棗さんだったんだ。