綺麗に微笑む姿はあまりにも腹が立つ程勝ち誇ったような。
まるで私の気持ちを見透かしているようで本当にいけ好かない。
「何で、私のスプーン使うのよ…」
「いいじゃん。あ、もしかして茉希…」
「何よ…?」
はっとわざとらしく目を見開いて私を真っすぐに見つめる。
「俺のも食べたいんだよね」
ぱちりとウィンク。
マジでくたばればいいんじゃない?そう心の中で呟いたのは秘密。
「はい。あーん」
この男、今なんて言いやがった!?私が゙あーん゙って…、マジでキモい!!!
「ご遠慮させてもらいます」
「何言ってるの。食べたかったんでショ」
「いや、それはそうだけど…」
「俺、拒否んなって言ったよね…?」
「喜んでいただきます!」
一瞬真顔になる青は本当に怖い。朝みたいなことがおきるのはまっぴらごめんだ。
こんなん私のキャラじゃないし似合わないのも分かっている。
だけど、あの命令口調になった青には反抗できないような威圧感があるから。どうしても言い返せないんだ。
再び゙あーん゙と言って、カルボナーラを巻きつけたフォークを私の口元に近づける。
やっぱりこの恥ずかしいと思う気持ちの方が勝っちゃったりで…。
まったく口を開けずにいたり。


