占い師の恋【完】





青の優しさとかそういうのが、私は苦手だ。

今まで感じたことのないような心臓の鼓動、急激に上昇する体の体温。

全部初めてで、ドキドキする。


青に、ドキドキする。



しばらくしてテーブルに運ばれて来たカルボナーラとオムライス。


「、いただきます」

スプーンを手にとりまず一口。


「ん。美味しい!」

「それはよかった」


くすりと笑われたのは分かってはいたけど、本当に美味しいんだもん。ファミレスなめちゃダメだなって少し考えたり。

うん、やっぱり美味しい。一口また一口と口に運ぶ。


「茉希」

「んー?」

名前を呼ばれ料理に向けていた視線を上げて見上げた。

ニッと笑う青の顔。口端を上げたその艶やかさに、一瞬目を奪われる。


羨ましいのか憎ったらしいのか、それぐらい男の顔は綺麗なんだ。



「一人で食べちゃわないでよ」


そう言うと私のスプーンを持った手を包むように掴み、そのまま自分の口へ。


「うん。美味しい」



……これは、その、

いわゆる、


゙間接キズというやつですか?