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化粧もろくにしない私の準備は10分もあれば出来。私なりに急いでバイト先へと向かった。
面倒くさい事に、まずは店長の所に行って挨拶とかいう決まりがあったりするからしょうがなく歩みを進める。
「失礼しまーす…、」
「おっ、茉希ちゃん!待ってたよ。はいコッチ。」
店長は私を見るなり、満面の笑みを浮かべ私を向かい合うソファに手招いた。
店長は30代前半の男性。いつもパリッとしたスーツに身を包んでいる。
「今日はありがと!あ、何か飲む?紅茶?珈琲?ジュースも一応あるんだけど。って言ってもオレンジジュースだけだけどねそれよりこれ今日の゙お客さん表゙だから見といてあとー…」
出た、店長のマシンガントーク。質問しといて答える隙を与えないという矛盾。私の飲み物、香り的に紅茶になってるし…。
この人の質問、正直答える必要はない。


