占い師の恋【完】





その瞬間、パッと離れた青の身体。

さっきまで熱くなっていた身体は、すぐに冷えていく。それを寂しい、なんて…。


「ごめん…泣かないで、茉希。」

「…ッく、」

「……やっぱ、俺のこと…嫌い?」

「ちが、…そういうのじゃなくて…」


ボロボロ溢れてくる涙は、どんどん床に水溜まりをつくっていく。

そっと私の頭に乗せられた、暖かくて大きな手。

ゆっくり、ゆっくり撫でてくれる青の顔が涙で歪んで見えない。



「じゃあ…どうして泣くの?」


弱々しい青のかすれた声。調子狂う、こんな声青らしくないじゃんか。


「青が、嫌いとか、そういうのじゃ、ない…。ただ…」

「ただ…?」


私の頭を撫でてくれる青の手は、本当に優しい。

落ち着きを取り戻すように、大きく深呼吸を繰り返す。