でも、お母さんは笑ってくれた。凄いねって、私の名前を呼んで優しく頭を撫でてくれた。
アイツといる時のお母さんは苦しそうで、辛そうで。笑っている姿なんて全然見れなかったから…。
きっとあの時母の未来を占って見えた男の人は店長だったんだと今になって分かった。
お母さんは私の前ではいつだって明るく、太陽みたいに笑ってた。
『君の占いは、亜希さん譲りだね。』
――店長の言ってくれたあの言葉が凄く、凄く
嬉しかった。やっと憧れの母に近付けたんだと思えた。
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店長と話してから、昔を思い出していた私の肩を誰かが叩いたことで意識を引き戻される。


