暫くして、風見さんは棗ちゃんを連れてコンビニへと出かけて行ってしまい。
部屋には、私と青二人きりになる。
変に意識して、冷や汗だか分からないものが背中をつたう。うざいくらい暴れ出す心臓を抑えようと、小さく深呼吸を繰り返す。
青が咳払いを一つしただけで、ビクンと反応する体に嫌気さえする。
「茉希ぃ。」
「は、い…、」
語尾を延ばしながら私の名を呼んだ青とは、逆の方向を向きながら返事。
「こっち向いてよ」と吐息混じりの甘い囁きにも似た声が脳をくすぶり。ゆっくり視線だけを青に向けた。
「…ごめんね。」
「え…、何が?」
「色々と。」
「(出たな色々)……別に。」


