占い師の恋【完】



暫くして、風見さんは棗ちゃんを連れてコンビニへと出かけて行ってしまい。


部屋には、私と青二人きりになる。



変に意識して、冷や汗だか分からないものが背中をつたう。うざいくらい暴れ出す心臓を抑えようと、小さく深呼吸を繰り返す。


青が咳払いを一つしただけで、ビクンと反応する体に嫌気さえする。



「茉希ぃ。」

「は、い…、」



語尾を延ばしながら私の名を呼んだ青とは、逆の方向を向きながら返事。


「こっち向いてよ」と吐息混じりの甘い囁きにも似た声が脳をくすぶり。ゆっくり視線だけを青に向けた。



「…ごめんね。」

「え…、何が?」

「色々と。」

「(出たな色々)……別に。」