「じゃあ、帰ろうか茉希。」 「俺達も帰ろう愁。」 「「え、もう?」」 かぶった声は私と愁さんのもの。少し驚いたように目を合わせた私達は、顔を見合わせふふっと微笑んだ。 青に手を引かれるように立ち上がった私は、ご両親に身体が半分に折れるほど深く頭を下げた。 「また来てね、茉希ちゃん。愁ちゃん。」 ――…こうして。 嵐のような時間は過ぎたのだった。