占い師の恋【完】



私もそれに会釈を返すと、愁さんは微笑みを口元に浮かべてくれる。

と。
杉山さんは愁さんの隣に並ぶと、そっと肩を抱いて一度だけ見たことがある゙愛しいものを見る目゙を彼女に向けていた。



「愁、おいで。」

「杉山さん、の…隣?」

「そうだよ。不満?」

「……、」



――――…、これは。

この゙恋人みたいな空気ば。何だろう。


頭がこんがらがる中、青のご両親と愁さんと杉山さんが並ぶように座ると、和やかだった空気は消え。少し張り詰めた空気が広間に流れた。



「……で、青。その子が会わせたい子か?」

「ああ。菅原茉希さん。大学生で、緑のバイト先で知り合った。」



突然始まった私の自己紹介。これって私がしなくちゃいけないんじゃないの…!?

いきなり失礼を…!?