占い師の恋【完】



「あらら本当に美人さんだわあ。」

「娘に欲しいな母さん。」

「……綺麗。」

「言ったじゃん美人だってー。」



――――…。

あれ?


何だか、想像と随分反している気がする。


初めに言葉を発したのは青によく似た綺麗顔…とは違い、可愛らしい顔をした女の人。

次は…。これこそ私の腰に腕を回している男の未来の姿を思わせる男の人。

次は、昨日青と楽しそうに歩いていた優しそうな目をした女の人。多分お見合い相手の人だと思う。

次は……、サングラス。以上。




「可愛いわあ!青には勿体ないくらい。愁ちゃんもそう思わない?」

「はい。とても。」

「よねえ。」



おそらく、青のお母さんだと思われる可愛らしいその人は、お見合い相手の人と微笑んで話している。


愁、と呼ばれた女の人は少しぎこちない動きで会釈をしてきた。