男は私の目の前まで来ると、右耳を撫でるように触れる。
その指はピアスを触り、まるで自分のモノがそこにあるのか確認するようになぞる。
「一週間、だよね。」
「……うん。」
「ごめんね?」
「…、別に。」
「寂しかった?」
「うざい。」
「本当は?」
「うざい。」
「……話ある。」
「………うん。」
「その前にさあ、」
「茉希がたりない。」
後頭部に回された手と、あっと言う間に抱かれるように腰に回された腕に逃げ場を失う。
顔を赤く染めて眉を寄せるも、嫌がらない私ににやり、と。確信犯は笑ってぽつり。
「まき、すき。」
「…、知らない。」
「照れてるー。」
「死んで。」
が。
今日のコイツはめげない。さらに妖艶に口端を上げると、吐息混じりに耳元で囁いた。


