「12時59分58秒。間に合って良かったね。」
あ、13時になった
とにっこり笑って見せたのは、何故ここにいるのかも分からない男。
待ちわびたけど、こんなにも突然だと私だって驚くし戸惑う。
どうして…?
その言葉は、声にする前に飲み込んでしまった。
「………、青?」
「久しぶり。」
優しくいつも通りに笑うその姿に酷く混乱。
後ろに見えたのは、ソファに座ってこちらに振り返りひらひらと手を振る杉山さんと。
難しい顔をしてこちらを見る店長。
何、この組み合わせ。
「茉希、今日は何時に終わるの?」
「え…。多分17時くらい?」
「そ。分かったじゃあ、終わったら一緒に帰ろう。」
青は自分の要件だけ言ってしまうと、さっさと部屋を出て行ってしまう。
何なんだとその後ろ姿を眺めていれば、
「じゃあ店長。そういうことなんで、お願いしますね。」


