占い師の恋【完】



おいいいいいいいい!

落ちたらどうしてくれるんだよこのジジイ!!



キッと睨むがスルーされて。何かの鍵を指でクルクル回して見せると、にっと笑う。


「送ってやる。」


何と助かる…!
風見さんの後を小走りでついて行って玄関でヒールに足を入れる。


「まっきーまた来てね。」

「うん。ありがとう棗ちゃん。」


ひらひらと手を振る天使に私も手を振り返して。先に部屋を出た男を追いかけた。



二人でエレベーターに乗り込み、風見さんは1のボタンを連打。

そんなことしてもエレベーターはどこでもドア的な働きはしないぞオッサン。と心の中で思ってはみたが言わないでおいた。



「今何分だ。」

「12時45…、間に合いますか?」


車に乗り込み、エンジンをかける風見さんに心配そうに問いかければ。


「愚問だな。」


やけに意地悪く、じゃない…。最早恐怖だ。

にやりと妖しく笑って見せた。