占い師の恋【完】



あはは、なんて苛立ち倍増させられる笑い声を上げられてしまった。

うざい。はんぱなくうざい。だるい。面倒くさい。


「何ですか。早く言ってくださいよ。何かオッサンがこっち見てるんですよ。」

『オッサン…?え。どうしたの?』


キッチンの方で鬼の様な形相になって怒鳴る風見さんを、隣の棗ちゃんが一言で黙らせる。

弱い…。弱いぞ風見。


いい年こいたオッサンが少し照れて頬を赤くすんな。

「キモい」と呟いてやれば、今度こそ無言で近付いてきて一発きついお灸をお見舞いされた。



『茉希ちゃーん?』

「…大丈夫です。で何ですか。」


風見さんに殴られた頭をさすりながら、電話に声を投げかける。

あのオッサン短期も短気だ。よく言うだろう!

゙短期は損気゙ってな。
でもあの人の場合、あまり損な人生送ってないっぽいから腹立たしい。



『えっとねー。今何時でしょう?』

「なめてるんですか。12時30分ですよ。」