自分からこんな事をしてしまうなんて。私本当にどうかしている。

顔を離せば、自分から言っときながら吃驚している青の顔。悔しいと睨み上げるとその顔は。



嬉しそうに、優しく穏やかに。でもどこか悪戯に。


笑顔を浮かべると――…






「ジンクス。あっと言う間に実現した。」



クスクス喉の奥で笑う声と、指で私の髪を梳きながら後頭部に添えられた大きな手。

再度腰に回された華奢に見えて男らしい腕。




「茉希。好き。」

「…馬鹿。早すぎだから。」

「でも今のは茉希から。」

「……。」



ムスッと顔を強ばらせた私をまた笑うと端正な顔はゆっくりと傾きながら近づいて来て。

青のそれが重なるまで
後2センチあまり。





「茉希、捕まえた。」




もう、後は溺れるだけ。


重なる前に見えたのは、まるで獣。噛みつくようにぶつかり合う唇の熱に脳の活動は停止。

苦しくなり息を吸おうと口の力を緩めれば、それに隙ありと言わんばかりに舌を差し込まれる。