片手で器用に開けたそれの中身はキラリと蛍光灯の光に反射してはまた怪しく光った。


そう。あの青いピアス。




゙茉希のことだから多分゙

゙入れっぱなしに賭けてみだ



――…まったく。
失礼な奴だ。普通勘的なもので女のバッグ漁らないだろ。

しかも茉希のことだからってどういう意味だ。



憤慨な気分にさせられ青を思いっきり睨んではみるが、逆に真っ直ぐに見つめられてしまい自然な流れで目を逸らす。


青の真っ直ぐな瞳は、何だか怖い。

捕まったら逃げられそうにないから…。



冷たく男のくせに綺麗で細く長い指が右耳にかかる髪の毛を耳にかける。


゙彼氏は左耳に、彼女は右耳に゙



店員さん、棗ちゃんの言葉が頭を猛スピードで横切った。

ケースからピアスを一つ取り出すと私の元から付けていた赤い石が付いた小さなピアスを外して


そっと、私の右耳に触れると慎重な手つきでピアスを穴に差し入れる。



私にピアスを付け終わると、青も自分の左耳にピアスを付け――…


「お揃い。」