艶やかに妖しく……、
口端を上げ三日月のように弧を描くと。
「アレ、俺と一緒に付けようよ。」
「つーか、付けろよ。」
囁かれた甘い響きに、目を見開いてしばらくの静粛。
青の端正な顔が目の前まで迫る。
一気に近づいた距離が私の体をガチガチに固めてしまった。
口を餌を求めて水面まで上がってきた魚のようにパクパクと繰り返してしまう。
またクスリと笑えば私の鞄に勝手に手を突っ込んで「んー…と、」なんて言って漁りだした。
何するんだとばかりに体を捻ると「めっ。」と茶目っ気たっぷりに睨まれた。
「あ、やっぱりあったー。」
嬉しそうな声が耳元で発せられ、耳にかかる吐息に胸が踊りだす。
゙じゃーん゙
なんて。私の目の前にバッグから取り出したであろう物を見せる。
「あ…、」
「茉希のことだから多分入れっぱなしに賭けてみた。」


