「…はあ。」
小さくだけど溜め息を吐き出した青。
その行動に私の胸が酷く痛んだ。じわじわと目頭が熱くなって鼻にツーンとした痛みが走る。
「何、で…溜め息、吐くの。」
あくまで冷静に。
まさか泣いてるなんて、傷ついてるなんて、思われたくない。気づかれたくない。
ピタリと歩みを止めた青は先に歩みを止めた私を見下ろすと何も感情が見えないような声で
「占い師なら、俺の気持ち当てて見ろよ。」
静かにその場に言葉を落とした。
挑発を含んだ言葉に優しさは感じられず、その事実にまた熱いものが込み上げて来そうになる。
そんなん私じゃないし。
面倒くさい女でしかないじゃないか。ここで泣いたら、昨日あんなに偉そうなこと言い逃げしときながら本当に狡い。
必死に唇を噛みしめて出て来そうになる熱いものを我慢しようとする。
が。
初めて会ったときのような冷たい目を私に向けていた男は、長い足を有効活用するように数歩で距離を詰めてきた。
