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あの後、ただ一言「送る」とだけ言われて。
私のアパートへと二人並んで足を進めていた。
喋って欲しいわけではないけど、この空気は耐え難いものだと思う。
青は全くと言って良い程私を見ようとはしない。
それが何だか悲しくて。
でも私は自分から揚々と話しかけていけるような性格でもキャラでもないから。黙って隣に意識を集中させ続けている。
「……ねえ。」
「…うん。」
重い沈黙を破ったのは青。おそらくこの空気に耐えられなくなったのだろう。
それは私も同じで。
返事は素っ気ないものとなったが、青を見上げた。
「…、何してたの。あんな所で。」
何してたの…と、言われても…。特に理由なんてないし適当に言ってしまおうか。
「…お散歩?」
「……。」
「またの名を夜の!」
「……へえ…。」
夜のお散歩ねえ
と。笑った青の顔はすごく優しいけど…。
目が全然笑ってない!!
え。怖い。普通に怖いんですけど。やばい。どうしよう。
青の顔から視線を逸らして冷静を保が心中は気が気じゃない。


