勝手に一人と決めつけてくる男の口に光るピアスは目障りだ。
「…(この場合無視?逃げる?)」
睨むようにして考える私が答えないことに痺れを切らしたのか、先程よりも苛々とした口調で迫りよる。
「ねえ無視?」
「……何ですか。」
第一声を口にした私がお気に召したのか、あの気持ち悪い笑顔をさらに深めた。
「俺等と遊ぼうよ。」
「お金出すしさ。カラオケでも行かない。」
内心男達を鼻で笑う。
こんな奴等と遊んだ日には私の人生終わるっつうの。失うものは目に見えてる。
「嫌です。」
真っ直ぐに見つめてそう言ってやれば、男達の目つきがガラリと変わり鋭いものとなる。
ズイッと近寄ってきた男に警戒心を抱き後退するがピアスの男がすかさず私の右手首を掴む。
――棗ちゃんに貰ったブレスレットの上から強く掴むから、鎖が肌に食い込み地味に痛い。
「何するんですか。」
睨みつけると男はそれにさらに顔を歪めて怒鳴り散らす。
「てめえ調子乗んなよ!ぶってんじゃねえぞ!!!」
「(何にぶってんのよ。)」


