「どーぞ。」
琥珀色が揺れるカップを差し出せば嬉しそうにお礼を告げてそれを受け取る。
勿論、ミルクを尋常じゃないほど入れたそれは見た感じに甘そうで。
それを美味しそうに呑む杉山さんの舌ってか頭を別の意味で尊敬。
珈琲を呑みながら、時々一言二言会話を交わし時間は刻々と刻まれていく。あっと言う間に時計の短針は9を指し、私と杉山さんはお互いに仕事に向かった。
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時計の針は確実に刻まれていく訳で。このまま時間が止まればいいなんて考えるだけ無駄に終わる。
「お疲れ様でした…、」
すれ違う同業者の人達に愛嬌もない挨拶を交わし私は帰路へと足を進めた。
仕事なんてものは私が狡したみたいに終わるのは早く。終わってからしばらくの間スタッフルームでうだうだしていたら。
サングラスに吃驚されたと同時に怒られて帰宅中という訳。
「女の子が遅くなったら危ないだろ!ほら、さっさと帰る!」などと言われ。
半ば強制的に追い出されてしまった。


