「…何してるんですか。」
部屋の中で幼稚な言い争いをしているのはオッサンとサングラス。
ようやく私がいることに気づいたらしい男2人は同時勢いよく私に視線を向ける。
「あれ、茉希ちゃんおはよう。今日早いね?何飲む?」
「゙珈琲ブラック!で。゙」
ぺこりと店長にお礼を告げると隣でウルサいサングラスが騒ぎ出す。
「い、今俺見た!絶対俺見た!!ブラックを強調した!!!」
「何言ってるんですか。私はブラックを!飲みたいだけですよ。」
「ほらまた…!」
「杉君うるさいー。それは杉君が子供なんでしょ。」
私に珈琲が入った温かいカップを「熱いから気をつけてね」と言って渡すと店長まで再戦して杉山さんを攻めていく。
杉山さんは悔しそうに眉を寄せて声を荒げる。
「俺別にブラック飲めない訳じゃないし!ただちょっと苦いのが嫌なだけだし!」
「結局飲めないんじゃん。」
「ガキ。」
初めに店長に本音を突かれ、後からの私の罵倒に杉山さんは本格的に肩を落とした。


